萩の寺
萩の寺、
静岡県西部、遠州森町にある、八形山・蓮華寺(はっけいざんれんげじ)です。
慶雲元年(704)文武天皇の勅願により開山。
かなり古いお寺で、天台宗です。
「一隅(いちぐう)を照らす 此(こ)れ即ち国宝なり」は、天台宗を開かれた伝教大師最澄(でんぎょうだいし・さいちょう)が著した『山家学生式』(さんげがくしょうしき)にある言葉です。
以下、『山家学生式』の冒頭部分です。()内はその意味です。
国宝とは何物ぞ(国の宝とは何か)
宝とは道心なり(宝とは道を修めようとする心である)
道心ある人を(この道心を持っている人こそ)
名づけて国宝となす(社会にとってなくてはならない国の宝である)
故に古人の言わく(だから昔の人は言った)
径寸(けいすん)十枚、是れ国宝にあらず(直径3センチの宝石10個、それが宝ではない)
一隅を照らす(社会の一隅にいながら、社会を照らす生活をする)
此れ即ち国宝なりと(その人こそが、なくてはならない国宝であると)
お金や財宝は国の宝ではなく、自分自身が置かれたその場所で、精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも代えがたい国の宝。
縁の下の力持ち、ですね。
世の中を生きてゆくと、自分が一隅を照らすときもあるし、一隅を照らしている人を見るときもあるし、それを意義高く、持つべき。
考えさせられる言葉です。
往時は大伽藍だったようですが、今は本当にこじんまりしたお寺さん。
最後に、やっと、萩の花。
萩の寺ですね。
萩の寺(終わり)